多くの方が活用しているペット保険について、ご案内します

私はかつてペット業界で働いていましたが、当時はペット保険に加入している人は少なく、私自身も柴犬やラブラドールの治療費を全て貯金で賄っていました。しかし、現在ではペットを飼う多くの人がペット保険に加入しています。もちろん、ブリーダーやショップでペットを購入する際に保険を勧められることが主な要因と思われますが、その背景について考えてみました。
調べてみると、ペット保険が普及した理由には、「ペットの家族化」「保険商品の多様化と認知度の向上」などが挙げられます。しかし、私が特に納得したのは「ペットの高齢化」と「獣医学の進化による医療費の増加」でした。
確かに、動物病院では以前と異なり、人間と同じような高度な治療が受けられる医療機器が導入され、精密検査が可能になってきています。また、ペットに与える食事も昔の「残飯を与える」時代から、健康を考えたフードや手作りご飯が主流となり、寿命が延びたことで長寿命化に伴う病気が増えてきたと感じます。
余談ですが、高齢の犬や猫(7歳~15歳以上)では認知症の発症率が約30%~70%になるというデータもあります。最近では、SNSで高齢のペットを介護している様子を投稿する人も増え、ペットを家族として最後まで責任を持って見守る大切さを改めて実感します。
こうした背景から、高齢ペット特有の病気(例: 関節炎、心臓病、腎不全など)が増加し、これらの慢性疾患への対処には継続的な医療費や高額な治療費が必要となることから、ペット保険のニーズが高まったのだと考えています。
高額治療の事例
がん治療: 高度な治療が必要な場合、治療費が200万円に達するケースもあります。
骨折: 治療費が約23万円かかる場合があります。
椎間板ヘルニア: 治療費が約38万円に上るケースもあります。
※日本の動物病院では自由診療が一般的で、治療費の上限がないため、高額な医療費が発生することがあります。
では、どのようなペット保険を選べば良いのでしょうか?
ペット保険には多くの種類があり、それぞれの違いや実際の治療時にどのように役立つかを保険料や補償金額だけで判断するのは難しい場合もあります。病気やケガの種類、ペットの種類や大きさによっても治療費が異なるため、自身の愛犬や愛猫に合った保険の補償内容を検討しながら、最適な保険を選ぶと良いでしょう。
ペット保険は、高齢化や医療費の増加など現代のペット事情に対応した重要な備えのひとつです。ペットも大切な家族の一員だからこそ、最期まで健康で快適な生活を送れるよう、しっかりとした準備をしておきたいですね。